こんにちは、HIKOです。
2017年9月20日のヒルナンデスでも紹介されていた慢性膵炎もわかる超音波検査(以下、エコー検査)。
もちろん切迫流産もエコー検査で確認できます。
この記事では産婦人科でなぜエコー検査が使われるのか?(体内の状態を知るには他にもX線やMRI、CTなどがある)
安全性や容易さ、エコー検査でわかる事などについてご紹介します。
切迫流産とは
切迫流産とは、出血の症状を伴うような危険な状態ではあるが、診断された時点では流産していない状態。
今後の経過次第では流産するかもしれないし、無事出産できる可能性もある不安定な状態のことを言います。
切迫流産もわかるエコー(超音波)検査の3つの秘密
エコーは容易で安全
体の内部を画像で診断する方法は、エコー検査以外にもX線検査、CT検査、MRI検査などの方法があります。
ただ赤ちゃんへの安全性を考えた場合、X線検査やCT検査は放射線被ばくの可能性があり危険です。
その点エコー検査は放射線を使用していない為、被ばくの心配がありません。
安全性ではMRI検査も同様に安全です。
ただ機器が大規模かつ高価なため、大きな病院でないと設置できません。
またMRI検査は専門の技師が必要ですが、エコー検査では訓練を受けた助産師や看護師でも行うことができる容易さがあります。
エコー検査の仕組み
エコー検査は、プローブとよばれる機器から超音波を発信し、体の中から跳ね返ってきた信号を画像に置き換える事で体内の状態を見ることができる方法です。
このプローブには腹部に当てる経腹法と、経膣プローブとよばれる機器を膣から挿入して検査する経膣法の2つがあります。
経腹法が選択される理由
経腹法は腹部から超音波を当てて体内の状態を知る事ができる方法です。
プローブの位置を変える事で、胎児や子宮の状態をさまざまな角度から観察する事ができます。
反面、肥満の方では脂肪が超音波の信号を妨げる為、クリアな画像が得られない場合があります。
経膣法が選択される訳
経膣法は腟内に専用のプローブを挿入し、膣側から体内のの状態を知る事ができる方法です。
妊娠初期から使用され、子宮頸部の観察や前置胎盤など子宮口の状態を観察する目的でも使用されます。
経腹法とは違い肥満の方でも脂肪による影響を受けません。
エコー検査でわかる事
妊娠初期ではエコー検査で以下のことがわかります。
- 妊娠4週目頃から確認できる赤ちゃんの袋(胎嚢)により、正常妊娠を確認できる。
- 妊娠5週目後半から確認できる胎児心拍により、胎児の生存を確認できる。
- 多胎妊娠や胎児の大きさ、形態の異常、子宮や卵巣の異常も確認できる
- 頭殿長(CRL:胎児の頭からお尻までの長さ)や児頭大横径(BPD:胎児の頭の直径)から妊娠週数を確認できる。
妊娠中期〜後期では以下のことがエコー検査で確認できます。
- 児頭大横径(BPD:胎児の頭の直径)や腹囲(AC:胎児のお腹わまりの長さ)、腹部前後径・腹部横径(APTD・TTD:胎児のお腹の直径)、大腿骨長(FL:胎児の太ももの骨の長さ)で胎児の発育状態やおよその体重(EFW)を確認できる
- 頭部、腹部、心臓、腹部、脊髄、足で胎児の異常を確認
- 羊水の量や胎盤の位置、子宮頸管の長さで妊娠継続の確認
切迫流産もわかるエコー検査まとめ
切迫流産だけでなく、赤ちゃんの発育状態の状態やさまざまな異常も確認できるエコー検査。
その容易さと安全性から産婦人科では医師や助産師、検査技師により使用されています。
エコー検査は他にも多数の断層像を組み合わせ、赤ちゃんを立体的に捉える3次元超音波や血流の流れを確認する超音波ドプラ法などがあります。