こんにちは、HIKOです。
30代中頃から40代で妊娠すると、流産や早産のリスクが20代に比べ高い傾向にあります。
これは細胞の老化によるものが主な原因で、ダウン症などの先天性疾患や奇形など障害を招く可能性も出産年齢に比例して高くなります。
『切迫流産や切迫早産になるとダウン症や障害になるのでは…』という心配の声が聞かれますが、切迫流産・早産になっても、ならなくてもその事だけでダウン症や障害のリスクを判断する事はできません。
関連 切迫流産では排除しきれないダウン症とその発症原因
そこで先天性疾患や障害などを知る方法として重要になってくるのが羊水検査です。
この記事では羊水検査とはどういう検査でどんなリスクがあるのか、また 切迫流産中の羊水検査 についてもご紹介します。
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羊水検査とは
赤ちゃんはお母さんのお腹の中で羊水という液体の中で成長します。
羊水は胎児を外的刺激から守る以外にも、赤ちゃんの様々な情報を教えてくれます。
羊水検査とは、赤ちゃんの周囲にある羊水を採取・検査する事です。
羊水検査は染色体異常や先天性代謝異常を知る(診断目的)以外にも、羊水過多などの治療目的で行われています。
羊水検査の方法
羊水検査は腹部に針を刺して羊水を採取します(羊水穿刺)。
羊水検査はエコーで赤ちゃんや胎盤の位置を確認しながら行われます。
診断目的で行われる羊水検査
先天性異常など出生前診断として羊水検査をする場合、妊娠15週〜18週頃に検査が行われます。
診断目的で行われる羊水検査では以下のことがわかります。
- 染色体の異常
- 遺伝子の異常
- 代謝の異常
- 母子感染症(性器クラミジア、風疹、B型・C型肝炎など)の有無
- 絨毛膜羊膜炎などの子宮内感染の有無
- 肺機能の評価(肺は構造上妊娠26週頃には完成していますが、機能としては未熟な状態です。妊娠28週〜32週頃に羊水に含まれる肺サーファクタントで分娩時期を判断します。)
治療目的で行われる羊水検査
治療目的で行われる羊水検査(羊水穿刺)には、羊水過多など羊水の異常や双胎間輸血症候群により早産のリスクを回避する目的で羊水穿刺が行われます。
羊水過多とその原因
羊水が800mlを超えたり、急激な体重増加や子宮の増大が見られると羊水過多と診断されます。
主な羊水過多の症状は、腹部の張りや頻尿、呼吸困難などです。
羊水過多と診断されると、前期破水や切迫早産の予防の為にも病院へ入院して安静が基本となります。関連 切迫流産と切迫早産の違い
その多くが原因不明となる羊水過多ですが、原因が分かる場合は治療が行われたり、子宮内の圧迫を減らす為に羊水穿刺が行われたりします。
羊水過多では動くスペースが広い為、胎勢や胎位異常が起こりやすい特徴があります。
また奇形のリスクも高く、周産期(妊娠22週〜生後7日までの事 ️)死亡率は健康な赤ちゃんと比べても2倍以上と高い特性もあります。
羊水過少とその原因
羊水が100mlを下まったり、妊娠週数に比べ子宮が小さい場合に羊水過少と診断されます。
主に前期破水に伴い起こる場合が殆どです。
根本的な治療法はなく、胎児発育不全(赤ちゃんの発育が遅い状態)や奇形や染色体の異常がある場合も多くみられます。
羊水検査のリスクと合併症
羊水検査(羊水穿刺)は先天性異常や早産回避の治療として利用されますが、稀に感染症や出血、胎児への損傷などの危険が伴います。
特に注意すべきは子宮収縮などに伴って起こる流産や早産などの合併症です。
羊水検査後に切迫流産から流産してしまうという事も0ではありません。
また母親がHIVに感染していると羊水穿刺で胎児に感染する可能性もあります。
切迫流産中でも羊水検査を前向きに考えるべき場合まとめ
羊水検査(羊水穿刺)は出生前診断として赤ちゃんの情報(障害の有無や染色体異常の有無など)を知るだけでなく、羊水過多などの治療としても有効な検査方法です。
ただ流産や早産など、合併症のリスクがある点は理解しておく必要があります。
その為、切迫流産中の羊水検査は流産等のリスクが必然的に高くなります。
ただそんな状態でも前向きに検査を検討した方が良い方が以下の方です。
- 夫婦のどちらかに染色体異常のある方
- 過去に染色体異常の赤ちゃんを産んだことのある方
- 高齢出産となる方(出産時に35歳以上の場合)
- 赤ちゃんに重大な異常や病気が見つかった場合
- 障害の有無により人工中絶を考えている方 など
人工中絶のリミットは21週6日までです。
上記に当てはまる方は夫婦でよく話し合い、一度医師に相談してみることをオススメします。
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