切迫流産に安静が無意味な訳

こんにちは、HIKOです。

切迫流産に安静は付き物ですが、安静にしても流産は防げません。

安静は妊娠週数によりその重要性が違い、最優先事項にも、無意味な対応にもなります。

この記事では、切迫流産と診断された時に、

安静中の疑問についてまとめています。

何もできない安静期間はとても辛い時期ですが、不安一杯で過ごすのか？前向きに過ごすのか？全てはこの記事を読むかどうか？あなた次第です。

まず切迫流産とは？

切迫流産とは、『流産』になる一歩手前の危険な状態の事です。

経過次第では赤ちゃんが亡くなる（流産する）場合もありますが、元気な赤ちゃんを産むことも可能な状態です。

切迫流産になる原因は、妊娠週数により胎児側の原因と、母体側の原因とに分かれます。

切迫流産と診断されると、安静臥床（安静に横になっておく事）というのが一般的な対応です。

妊娠12週未満で起こる切迫流産の原因

全ての流産の8割以上は妊娠12週未満で起こります。

主な原因は、染色体異常や受精卵の発育不全、子宮外妊娠 、胞状奇胎などです。

切迫流産の原因が上記の場合、必ず流産になります。

ここで安静について考え欲しいのですが、例えば受精卵が子宮外に着床している場合、いくら安静にしても正常な位置に着床し直すことはありません。

もし子宮外妊娠を放置すれば、卵管破裂により母体の生命に危害を及ぼす可能があり、手術で取り除く必要があります。

つまり子宮外妊娠では出産はできません。

流産が決定している原因では、いくら安静にしていても流産という結果は変えられないのです。

妊娠初期におこる着床出血

着床時、赤ちゃんを覆う膜（絨毛膜）の一部は、胎盤形成の為に子宮内膜（脱落膜）に絨毛と呼ばれる動脈と静脈を束ねた枝のような物を伸ばします。

引用:blogs.yahoo.co.jp/yuyamichidori

この時少量の出血は吸収されますが、出血量が多いと吸収されず不正出血になります。

妊娠初期に見られる出血は、この胎盤形成による場合もあるので、12週未満の不正出血が全て危険なわけではありません。

妊娠12週以降で起こる切迫流産の原因

妊娠12週以降では性器の異常（頸管無力症や子宮筋腫、子宮の奇形など）、感染症（クラミジア、梅毒、風疹、マイコプラズマ、メガロウイルスなど）、病気の合併症（甲状腺機能低下症、心疾患、腎疾患）、生活環境や仕事環境の問題などが切迫流産の原因になっています。

上記の原因では治療も行われますが、安静が最も重要です。

切迫流産で自宅安静になるのは？

切迫流産では緊急性がない時は自宅安静になります。

妊娠12週未満では切迫流産の原因が避けられない要因（染色体異常など）なのか？
妊娠初期のただの出血なのか？
判断ができません。

その為、今はただ安静にして結果を待っている状態です。

自宅安静になった時の過ごし方（妊娠12週未満）

切迫流産と言っても状態は人それぞれなので、主治医の判断が第一です。

一般的な対応は、食事・トイレ以外横になって過ごすのが安静時の対応ですが、妊娠12週未満の安静は、結果待ちの安静でしかありません。

過度な運動や無理しすぎない程度のことで十分なので、今すぐ仕事を辞めたり、診断書を書いてもらい休職する必要はありません。

ただ悲しい結果が訪れた時に『あの時…しておけば良かった…。』と、後悔しないことが重要です。

もし安静に努めるなら、上の子の世話や家事全般は旦那や両親、家族の協力を得る必要があります。

切迫流産で自宅安静になった時の過ごし方（妊娠12週以降）

妊娠初期とは違い、妊娠12週以降では何よりも安静が優先されます。

この安静の日々は先が見えないだけに、不安だけが大きくなります。

ただ見方を変えれば、赤ちゃんや自分自身と向き合える大切な時間でもあります。

また今後訪れるかもしれない別れに備え、心の準備をしておくことも大切です。

妊娠初期と同じく『あの時…しておけば良かった…』と、自分を責めてしまわない様、疑問や不安はかかりつけ医や助産師さんに相談し、納得した上で日々を送りことが重要です。

切迫流産で仕事を休めない時の対処法

仕事をしていて切迫流産になると、安静のために仕事を休む必要がでてきます。

男女雇用機会均等法（13条）における母性健康管理の措置として、医師から安静や勤務時間の短縮等の指導があれば、会社はその指導を守る為の対策を取る必要があります。

医師からの指導内容を正確に伝えることができるなら、診断書は不要で口頭でも休職することは可能です。

理解の乏しい会社では、診断書の提出や職員不足で休むことを拒否される場合もあると思います。

そんな時は診断書と同じ扱いで、記載費用も安い母性健康管理指導事項連絡カードがおすすめです。

切迫流産で仕事を辞めたい時

切迫流産になっても仕事を辞めるのはお勧めしません。

理由としては、収入がなくなること、傷病手当金の再受給ができない、再就職が難しいといった理由が挙げられます。

ただ看護師や薬剤師、介護士など転職しやすい職種もあるので、辞める決意が変わらない時はしっかり準備をして退職しましょう。

切迫流産で入院・安静が必要になるのは？

妊娠12週以降では切迫早産と同じ対応になる為、自宅安静よりも入院になるケースが多くなります。

切迫流産で入院になるのは、以下の場合です。

切迫流産で入院するといつまでかかるの？

切迫流産の原因により変わりますが、症状が軽く、改善すれば、1〜2週間程度の入院で済みます。

ただ症状が改善しない場合や重度の場合、他の治療が必要な場合は、1ヶ月以上と長期化もあります。

また『切迫流産で入院して出産まで病院だった』なんて事や、入退院を繰り返す場合もあるので、入院費用を考えるとかなりの負担になります。

加入している医療保険が切迫流産でも支払われるのか確認しておきましょう。

また仕事をしていて入院や自宅安静で4日以上休む場合は傷病手当金も利用できます。

切迫流産の安静期間はいつまで？まとめ

切迫流産の状態は人それぞれなので、先生の指示が絶対です。

一般的な︎対応としては、妊娠12週を境に安静の重要性が違います。

妊娠初期から11週までは早期流産と呼ばれる最も流産しやすい時期で、染色体異常など避けられない原因により流産が起こります。

この時期の安静は、流産を防ぐ為の安静ではなく、流産か？妊娠継続か？の結果待ちをしているだけです。

無理をし過ぎない事が大切ですが、何よりも悲しい結果になった時に、あなた自身が後悔しない事が重要になります。

妊娠12週以降では安静が最優先事項です。

切迫流産の原因や状態によって自宅安静や入院になります。

切迫流産から切迫早産になる事も多く、入院が長期化する事もあるので、先の見えない安静の日々は大きなストレスになり、とても苦しい時期だと思います。

しかし、出産すれば育児が始まり、ゆっくり過ごす時間なんてありません。

赤ちゃんや自分自身と向き合える時間は今しかないのです。

この安静の時期を前向きに捉えるとともに、悲しい別れに備え心の準備が大切です。